ライブコラボレーション「風景、今」

映像、ピアノ、マリンバ、ダンスの四つ巴で、東北の美しい風景の再現と東北の「こころ」の表現をしたパフォーマンス。この文章を書いている自分はスタッフなのでリハーサルから見させてもらっていましたが、芸術での表現の深さと直感さ感じる素晴らしいパフォーマンスでした。

澤井 光夏(マリンバ)
東京藝術大学大学院音楽音響創
造研究分野 研究生

林 そよか(ピアノ)
東京藝術大学大学院音楽音響創
造研究分野 修士1年

千葉 瑠依子(ダンサー)
ダンスパフォーマー、アートイン
クルージョンダンス講師

映像はコンソーシアムスタッフと映像作家の鉾井喬氏。
今回は残念ながら鉾井氏以外の方々をキチンと取材する時間が取れませんでした。この記事の内容はTOHOKU COAST風景PORTALの新田がコンソーシアムの活動報告としてインターネットで検索した情報を元に書いています。

会場を縦横無尽にルール度外視で表現していた千葉さん。エネルギーほとばしるパフォーマンスでした。自分はパフォーマンス中写真撮影を担当していましたが、フォーカスが追いつきません。シルクドソレイユやマドンナを教えていたヨガマスターダンカンウォンなどの撮影をしてきた自分ですが、追いつきません。元気いっぱいです。でもすごく印象に残ったのは千葉さんの表情。本当に全身の全てを使って表現されていたのが伝わってきました。

ダンス 千葉 瑠依子(ちばるいこ)
マリンバ 澤井 光夏(さわいみか)

小さくて可愛い人だなというのが第一印象でした。が、しかし演奏が始まると一回り大きく見えます!飛ぶ、跳ねる!いや凄いです。この文章を書いている新田はデザインの人間でこのような演奏を見る機会はあまりないのですが、マリンバって見ても楽しいものだったんですね。その演奏内容も非常にクリエイティブ。はては土を盛った上にマリンバの木琴を置いて叩くインスタレーションを設置して、実際のパフォーマンスでもその木琴を使っていました。楽器が大規模なだけにあまり見る機会のない情景だったので、つい仕事を忘れて見入ってしまいました。ご本人、澤井 光夏さんのウェブサイトはこちらです。

全てをリードしていくおねぇさん役といった趣な林さんの演奏も素敵でした。プロの仕事を見せつけられた感じですが、それもそのはず経歴を見れば一目瞭然です。完全な音楽サラブレッドな林さんの演奏を超えた音での表現。この記事を書いている自分には芸術を語る能力は全くありませんが、芸術とは回りくどく解釈するものではなく感じるものであることを、改めて学ばせていただきました。

ピアノ 林 そよか(はやし そよか)
映像作家 鉾井喬(ほこいたかし)

冒頭の夜明けの映像は圧巻でした。日出づる国、海に囲まれた国日本に生まれ育った人間にとって、海から昇る太陽と少しずつその太陽に反応するように輝き始める海、そして刻々と変わっていく空の色、何時間でも見ていられます。映像はそのあと桜や山々、日本人であればだれもが懐かしく、そして身近に感じる映像が続きますが切り取り方、長さなど鉾井氏の優しさが溢れ出る素晴らしい映像でした。彼の経歴をArafudo Art Annual 2014!で読んで納得です。彼の根底にあるのは風なんですね。鳥人間コンテストまで出場しているツワモノとは。。。彼が手がける風で動く彫刻も素晴らしいものばかりです。

この記事を書いている自分はグラフィックデザインという業界に身を置いている人間で、実はファインアートに接する機会はそれほど多くはありません。今回は本当の意味でのアートを肌で感じることのできる機会であったと実感しています。表現するための人間の能力を限界まで磨いた技術。人間という生き物の可能性を感じた瞬間でもありました。復興というミッションも大事ですが、その言葉の本当の意味は我々人間という生き物がこの宇宙でどのように生かされ、授かった生命をどのように謳歌していけばよいのか、また自然の厳しさとどのように付き合っていくべきなのか、そんな深い気持ちにもなったパフォーマンスでした。自分の稚拙な文章表現がもどかしいのですが、次回このようなイベントがあるときは是非みなさんも足を運んでください。伝えきれていない部分を感じていただけると思います。

文章:新田みのる 写真:新田みのる